肌に纏わりつく湿気を帯びた空気の、嫌な感触で南郷は目を覚ました。
残業も無く、定時で帰宅した日の夜の入り口の事である。
暑さにやられたのか、週末だからなのか、疲れた身体を少し休めようと、ネクタイだけ外すと狭いアパートの部屋で土壁に凭れかかった。
それから暫くして雨がぽつりぽつりと降り出す音を聞いた。
そこ迄は記憶が有る。
ふと気付くと座ったまま寝ていたらしく、時間は19時頃だった。
開け放した窓からぬるい風が入り込み、雨は止んでいた。
何処からからちりりちりりと高い音がする。
そう言えば、この町内では夏になると定期的に夜店を出していたかと思い出す。
恐らくその辺りから聞こえる音だろう。
さほど食欲も無い事だし、夜店で何か軽く買って済まそうと、南郷は立ち上がった。
背中に付いてしまった土を軽く叩いて払う。
ここでタイムアップorz
続きは出来あがり次第。
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