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tgs作品とアカギ好きなオタクのブログ †女性向け同人的要素混入につき苦手な方は御注意を† ~2009.06.15~
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彌閑 櫻子(みかん さくらこ)
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趣味:
妄想&睡眠
自己紹介:
冨樫作品を中心に90年代の漫画好きなパチンカス。
基本的にマイナー思考らしく、日々、異端審問的な状況に陥ったり陥らなかったり。
語尾に『お』と言えば、べるべるだと信じてる。
オフでは『雪柳彌閑』(主に幽白用)か『椎名櫻子』(主にハンター用)で活動中。
サークル名は『桜の森』もしくは『オモチャ箱』で取ってます。





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12月25日。クリスマスにギリギリ駆け込めるのか?!
…間に合いませんでしたlililorzlilili
気持ちだけ汲んでやって下さい。


それでは、↓
南アカSS。

 『白と白と白』





南郷がギャンブルから足を洗って、職を得て、約ひと月半が過ぎた。
帰り道はいつもより混雑している。
年の瀬も近い。
寒さも厳しくなって来た。
先だって、初めて出た給料で何か買って生活を潤わせるのも良いかも知れない。
しかし、何も思い浮かばない。
命のかかったやり取りから解放された反動なのか、今の南郷には物欲と呼べるものが無かった。
給料どころか、人には言えない方法で手に入れた巨額の金が押し入れに眠っているというのに。
歩きながら自然と俯きがちになった。
黄昏時はいつもこうだ。
昼間はいいのだ。仕事が有る。
枯渇するかの如く望んだ、真っ当な生活の中に居るという充実感に浸って、仕事に邁進出来る。
けれど、そこから離れるともう脳内をよそ事が支配し始めてしまう。
「…忘れるんだ」
言い聞かせるように呟いて、コートの襟元をギュッと掴んだ。
寒さは更に酷くなる。
視界に白いものもチラつき始めた。
「初雪か」
思わず手のひらを灰色の空に向けて、欠片を受け止めようとした。
その時動いた視線の先で、雪とよく似た、白い色が揺れた。
我知らず立ち止まり、その白に視線を定める。
------彼だ。
気付いた瞬間、南郷の目は釘付けになった。
動悸が早まる。
声を出そうとして、何度か唇を金魚のようにパクパクと動かす。
そうして振り絞るように叫んだ。
「アカギっ!」
訝しげに纏い付く周囲の視線とは裏腹に、南郷は駆け出した。
早くしなければ見失ってしまう。そしてまた手の届かない何処かへ行ってしまう。
驚いたように振り返ったのは、紛れもなくアカギだった。
「南郷…さん」
この寒い中、アカギはコートもマフラーも無しに、冬物の学生服の上着を着ているだけだった。
「どうしたの?こんなとこで」
当のアカギは何を気にする風でも無く、そう言った。
「会社の帰りだ。お前こそ、この辺に何か用か?」
「別に…。用なんて無いさ。只、歩いてた」
「そうか」
それだけ言葉を交わして、大きな時計が目印のビルの横で二人して立ち止まる。
必死で追いかけたにも拘わらず、南郷はかけるべき言葉を持たないような気がした。
アカギも別段話さない。
かと言って、用が無いならと踵を返す事も無い。
しばらくの間、二人を沈黙が包む。
雪はさっきよりも本格的に降り出した。
南郷の目の前のアカギは、寒さなど無縁のような表情をして、しかし、鼻の頭がうっすらと赤くなっている。
思わず、その肩を抱き寄せた。
唐突な行動に驚いたのか、アカギの視線が下から南郷を覗き込み、何度か瞬いた。
ビルの灯りを受けて、瞳の光彩が赤く美しく見える。
「南郷さん?」
「帰ろう」
「え?」
「用事は無いんだろう?なら、家に帰ろう。冷え切ってるじゃないか。それに傘も持ってないだろ」
そう言うと、南郷はアカギの肩に手を乗せたまま、駅へと歩き出した。
アカギは逆らわない。
代わりに「相変わらずだな。あんたは、いつも唐突だ」そう言って軽く頬を上げて小さく笑った。
いつものアイロニックな笑い方では無く、本当に純粋に可笑しいかのように。
それで全てが氷解した。
会えずに居た時間の苦痛が急速に消えて行く。代わりに失せていた活力のような物が一気に戻って来るのを感じる。
その勢いのまま提案を一つ。
「ケーキを買ってくか。今日はクリスマスだしな。偶には洋菓子もいいだろう?」
幸い、このまま道なりに歩けば、有名な洋菓子店が有る。
家に帰って、彼の髪の色と似たバタークリームたっぷりの甘いケーキを食べながら、ゆっくり過ごす。
特に会話らしい会話は無いかも知れない。
ただ、二人で雪に閉じ込められたまま時が流れる。
それはとても素晴らしい思い付きに感じられた。
「クク…南郷さんの好きにしたらいいよ」
そう言って、アカギはまた肩を揺らして笑った。
今日出会ってからだけでなく、会えずに居た間の浮き沈み迄、全て見透かされているような気がしないでもない。
それでも良いと、アカギを見ながら思えた。
これだけ大きな存在を無理に忘れる事など出来はしない。
ならば、きっとその必要も無い。
そう思うと一気に楽になった。
アカギと会えると分かっていたなら、炬燵を買っておけば良かった。服にもこんなに頓着しない奴なら、マフラーの一つも用意しておけば良かった。
中学生が一人で歩き回れる距離なんてたかが知れているのに、何故もう会えないと決め付けたりしたんだろうか?
店に向かう道すがら、そんな事をつらつらと考えていたら、不意に肩に乗せた手にアカギの手が重ねられた。
先刻とは逆に、南郷が驚く。
「アカギ?」
少し上擦った声で問い掛けると、至極冷静に、
「流石にこんな状態で店に入ったら、店員に変に思われるんじゃないの?『叔父さん』」
慌てて肩から手を離す南郷を見て、アカギはまた笑った。
その時のアカギの耳が、南郷の頬と同じ色にうっすら染まっていたのは、南郷の心の中だけの大事な秘密である。





   お粗末様でした。
しかし、この書き方では南郷さんは駄目な大人過ぎるな…むう(-公- ;)



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